【福津市】豪雨漏水リビング修繕工事〈第2回:天井・壁ボード解体編〉
前回のクロス撤去に続き、天井・壁の石膏ボードを解体。下地と断熱材の含水やカビ、構造の確認、復旧計画を立てていきます。
解体の目的と安全管理
- 含水・カビの徹底確認:濡れた建材を残すとカビの温床になり、部屋全体へ拡大するため。
- 構造の健全性確認:梁・根太・間柱、筋交いの腐朽や緩み、金物の状態を点検。
- 設備の点検:電気配線の被覆損傷・ジョイント位置、換気ダクトや配管の漏れを確認。
天井・壁のボードを撤去
天井→壁の順に石膏ボードを解体し、廃材は袋詰め・分別を行いました。天井裏まで開口することで、雨水の回り込み範囲を正確に把握できます。

豪雨漏水の影響で天井と壁ボード・断熱材を撤去した状態(掃出し窓側)

豪雨漏水の影響で天井と壁ボード・断熱材を撤去した状態(出窓側)
こちらの面は窓周りの壁が黒く変色しています。これは出窓横の外壁の亀裂からの漏水跡になります。
今回の工事では外壁を触らないのですが、亀裂に関しては処理をしておきます。

豪雨漏水の影響で天井と壁ボードを撤去した状態、まだ断熱材を撤去前ですね。

豪雨漏水の影響で天井と壁ボードを撤去した状態、片付け前になります。
下地・断熱・設備のチェック内容
1) 下地(構造)
- 梁・野縁・間柱の含水と変色、腐朽の有無
- 筋交い・金物の緩み、ビスの再締結が必要か
2) 断熱材
- 濡れ・カビ・沈下の有無を確認し、必要部位は入替え。
- 乾燥が不十分な場合は撤去→乾燥→新設を行います。
3) 電気配線・設備
- 被覆ダメージや結線部の位置を是正、室内で露出配線だったのを壁内に整理。
- 必要に応じて結露・カビ対策の換気計画を見直し。
乾燥・防カビ処置の方針
- 強制換気+送風・除湿で乾燥を促進。
- 下地木部は清掃後、必要箇所へ防カビ処理を実施。
- 含水が高い部位は、十分に乾燥確認後に次工程(ボード新設)へ。
※見た目が乾いていても内部は湿っている場合があります。表面仕上げを急がず、「乾燥完了の確認」を最優先に進めます。
この工程で分かったこと(サマリー)
- バルコニー直下の天井・外壁側に浸水の影響が集中。
- 外壁亀裂からの漏水あり。
- 壁の断熱材は全体的に濡れ・水分を含んだ状態なので、全体的に入替え。
- 配線は仕上げ変更に合わせて再配線の余地あり。
Q&A(ボード解体編)
Q1. なぜボードまで剥がす必要があるの?
A. 一度濡れた石膏ボードは内部に湿気を保持し、カビが繁殖しやすいためです。残すと部屋全体へ拡大し、健康被害や再工事の原因になります。
Q2. 断熱材は必ず交換しますか?
A. 乾燥・劣化状況を見て判断します。濡れやカビがあるものは入替え、再利用はしません。
Q3. 乾燥はどのくらいで終わる?
A. 天候・通風・含水量で変わります。送風・除湿を併用し、下地が十分に乾いてから復旧します(数日〜1週間程度の目安)。
Q4. 電気配線はやり直しますか?
A. 被覆の傷みや接続位置が不適切な場合は是正します。照明位置の変更など、この機会に使い勝手の改善も可能です。
次回予告
次記事はフローリングや床根太の解体工事を予定。